一、合気道は一撃克く死命を制するなるを以て、練習に際しては、指導者の教示を守り、徒に力を競ふべからず。
二、合気道は、一を以て万に当たるの道なれば、常に前方のみならず、四方八方に対する心掛けを以て錬磨するを要す。
三、練習は、常に愉快に実施するを要す。
四、指導者の教導は、僅かに其の一端を教ふるに過ぎず。之が活用の妙は、自己の不断の練習に依り、始めて体得し得るものとす。
五、日々の練習に際しては、先づ体の変化より始め、逐次強度を高め、身体に無理を生ぜしめざるを要す。然る時は、如何なる老人と雖も身体に故障生ずる事なく愉快に練習を続け、鍛錬の目的を達する事を得べし。
六、合気道は、心身を鍛練し、至誠の人を作るを目的とし、又技は悉く秘伝なるを以て、徒に他人に公開し、或は市井無頼の徒の悪用を避くべし。
(植芝 吉祥丸著「合気道入門」図解早わかりより)